ジュニア年代はもちろんのこと、難易度を変更することでジュニアユースやユース年代にも応用可能な1日のトレーニング構成例です。基本的には全てのメニューで認知(状況把握)・判断をもとにした実行(アクション)が含まれています。
ウォーミングアップから段階的に難易度や複雑性を高めていき、テクニックの反復的な要素も加えながら、最終的にはゲームの中でパフォーマンスを発揮できるように試みます。しかし、認知・判断・実行のプロセスは短期間で完成するものではありません。限られた練習時間の密度をできる限り濃くして、選手たちの成長を忍耐強く見守り、そして見逃さないように声掛けやコーチングも行っていきましょう。
ウォーミングアップ(導入)
ウォーミングアップではディフェンダーのいない状況でドリブルやパスを行いますが、グリッド内で各選手が入り乱れているので、他の選手とぶつからないようにするために常に周りを見てドリブルやパスをする必要があります。さまざまなタッチや課題にチャレンジしてみましょう。
ウォーミングアップの最後にドリブル鬼ごっこなどのゲーム的な要素を入れることでアクセントを加え、少人数ながらボールを奪いに来るディフェンダーに対してさまざまなドリブルを行う環境を作り出します。人数に合わせてグリッドの大きさや鬼役の人数を変更して難易度を調整しましょう。
サポートメニュー(発展)
ディフェンダーのいない状況でさまざまなテクニックの反復練習を行えるメニューです。メインメニューやゲームの中で使われるドリブルやパス、ファーストタッチを学んでいきます。
ドリブルやファーストタッチの種類を変えたり、ワンツーを追加したりすることで飽きることなくさまざまなバリエーションを学ぶことができます。
メインメニュー(応用)
ディフェンダーのいない状況で学んだテクニックを状況に合わせて使い分けられるようにしていきます。フリーマンをつけることで攻撃側が数的優位の状況になるので、数的同数よりも成功体験を得やすくなります。どこに味方やディフェンダーがいるかなど状況を把握し、どのゴールに攻めるか、ドリブルとパスのどちらを使うかなどを判断し、状況に合わせて正確で素早いアクションが行えるようにチャレンジしてみましょう。
2対2+1や3対3+1にして複雑性を増したり、数的同数にして難易度を高めたりすることも可能です。
ゲーム(締めくくり)
練習の最後はゲームの中で思いっきりチャレンジしてみましょう。攻めるゴールが2つあるのでどちらのゴールを攻めるかやドリブルとパスの使い分け、ボールコントロールか1タッチかなど様々な認知・判断要素が含まれています。フリーマンとしてコーチなどが入ることにより攻撃側への成功体験を増やすことも可能です。