フニーニョ(FUNiño)は英語のFun(楽しさ)とスペイン語のNiño(子ども)から作られた言葉で、ドイツ人のHorst Wein(ホルスト・ヴァイン)氏によって開発されたミニサッカーの一種です。ヴァイン氏はすでに1985年にゲームモデルを発表しそれ以来さまざまな改良が加えられてきました。
ドイツではこれまで11歳以下のカテゴリーでは7人制で公式戦が行われてきましたが、ドイツサッカー協会の推奨により、2019年7月からテスト段階として10の地域サッカー協会が9歳以下の試合に7人制ではなくフニーニョを導入することになりました。正式にはMini-Fußball(ミニ・フースバル)という名前で導入されています。バイエルン州サッカー協会はこれらの州よりも数年前から積極的な取り組みを行っていました。
【ドイツサッカー協会の新たな育成改革】9歳までは3対3のミニサッカー・リーグ戦無し
ドイツサッカー協会は新たな育成改革として、2019年7月から11歳以下のカテゴリーにミニフースバルと呼ばれる2人制や3人制、5人...
ゲームインテリジェンス向上のために、子どもだけでなく中高生や大人のトレーニングとしても導入することができ、実際にFCバルセロナでもこのようなトレーニングが取り入れられています。
フニーニョ(ミニフースバル)には以下のような利点があります。
- 少人数でもチーム活動が可能
- 全ての選手に同じ出場時間の確保
- たくさんのボールコンタクト(7人制より60%多い)
・ドリブルは7人制の5倍
・パスは7人制の2倍 - 守備の工夫、強化
- 特殊ルールでゲームインテリジェンス向上
- 多くのゴールチャンス=成功体験
- ベンチ要因なし、ポジション固定なし
協会の育成部はミニフースバルによって選手個々の創造性やゲームインテリジェンスを発展させたい。
バイエルン州サッカー協会より
重点
ゲームインテリジェンス、1対1、ドリブル、パス、ファーストタッチ、シュート、攻守の切り替え、オフ・ザ・ボールの動き
準備
- 幅20~25m、縦32m(ドイツサッカー協会:25~30m)のフィールドを作る。
- 12mの間隔でそれぞれのゴールラインにミニゴールを2つ設置する(ミニゴールがなければコーンやマーカーでもOK)。ミニゴールの大きさは高さ1m、幅2m。
- ゴールラインから6m離れたタッチライン上にマーカーを置きシュートゾーンを設ける。
- センターラインの目印として、タッチライン上にマーカーを置く。
- 各チーム最大4人組を作る(3人がプレーして1人は交代役)。
ドイツサッカー協会ルール:最大5人(3人がプレーして2人が交代役)
進め方
- 両チーム出場3名が自チームのゴールライン上に並んで待機する。キーパーなし。
- 審判やコーチ、交代選手がタッチライン中央からボールを投げ入れて試合開始(図a)。ドイツサッカー協会:審判なし(必要に応じてコーチが介入)
- オフサイドはなし。
- ゴールはシュートゾーン内からのシュートのみ認められる(図b)。
- タッチラインからボールが出た場合、シュートゾーン以外のタッチライン上からパスかセルフパス(ドリブル)でリスタートする(図c)。
- コーナーキックもパスかセルフパス(ドリブル)でリスタートする。直接ゴールは認められる。
- ゴールキックや失点した場合、自陣のシュートゾーンからパスかセルフパス(ドリブル)でリスタートする(図d)。
- フリーキックはすべて間接フリーキック。相手シュートゾーン内でフリーキックを得た場合、最も近いシュートゾーンのライン上からリスタート(PKはなし)。
- フリーキック時、相手選手はボールから3m(ドイツサッカー協会:5m)以上離れなければならない。
- ゴールが決まるごとに両チームとも1人ずつ選手を交代する。各チーム事前に決めた順番で選手が出場していく。
コーチングポイント
- 楽しみながらサッカーを学ぶ。
- 状況を把握しながら賢くプレーする。
バリエーション
- 試合時間を調整する(1試合10~15分)。
- 点差によって交代選手を追加投入する(例:2点差がついたら4対3でプレーする)。
- 複数のフィールドがあれば、1試合ごとに勝ったチームは上のフィールド(チャンピオンズリーグ)、負けたチームは下のフィールドに移動する(下図)。