ディフェンダーを背負った状況でのアクションにフォーカスした1日の練習メニュー例です。試合の中では必ずしも進行方向の見える身体の向きでボールを受けられるとは限りません。比較的スペースの多いサイドでは前を向いてボールを受けやすくなりますが、フィールド中央の前線や中盤ではスペースが減少し背後からディフェンダーにマークされることが多くなります。
プレッシャーを避けようとすべての選手が外に広がってしまうと中央の選択肢がなくなり守備側はサイドに的を絞って守備を行いやすくなります(図a)。逆に中央でディフェンダーのプレッシャー下でも簡単にボールを失わない選手がいれば、中央に引き付けてからサイドや背後を狙う選択肢を活かすことにもつながるでしょう(図b)。
ウォーミングアップ【導入】15~25分
今回のウォーミングアップではメインメニューで必要となるスキルをディフェンダーがいない状態で集中的に行います。インサイドやアウトサイドなどコントロールする部位を変えたり、フェイントを入れたりしてさまざまなバリエーションに取り組んでみましょう。左右両方の足が使えるようにしていきましょう。
時間的な余裕があればウォーミングアップの最後に競争形式で行うとポジティヴな雰囲気を作り上げることができるでしょう(Tr136)。時間的なプレッシャーの中で正確なアクションにチャレンジしましょう。
サポートメニュー【発展】15~20分
次にウォーミングアップで取り組んだスキルをディフェンダーのいる状況で行います。ディフェンダーの動きに応じて最も効果的なアクションを使い分けられるようにしましょう。
例としてゴールをつけないメニュー(Tr137)とゴール前のメニュー(Tr138)を挙げていますが、日を変えて1メニューずつ行ってもいいですし、複数のコーチがいて十分なスペースがあればグループ分けをして2つのメニューを同時に行うことも可能です。
メインメニュー(応用)20~30分
ウォーミングアップやサポートメニューで学んだことをゲーム形式の中で応用していきます。フィールド内のどのエリアにいるかによって奪われたあとのリスクも考慮する必要が出てきます。得意なポジションだけでなく、さまざまなポジションにチャレンジしてみましょう。
スペースが限られていれば2エリア(前方・後方)で行ったり、人数が多ければどこかのエリアを2対2に増やしたりするなどの調整が可能です。
ゲーム(締めくくり)20~30分
まずはメインメニューの3エリアを継続して行ってみましょう。人数によってフィールドの大きさと各エリアに入る人数を調整してみましょう。1エリアに複数の選手が入ることにより、ファーストタッチでボールコントロールするだけでなく1タッチパスの選択肢も発生します。ボールを止めてからでなく受ける前から状況を把握し最適な判断を下せるようにしましょう。ボールを持っていない選手や守備側の選手もより複雑な状況を正確に把握する必要があります。しばらく行ったあとは3エリアの区切りを外して行ってみましょう!
- 6対6(2-2-2、2-3-1)
- 7対7(2-3-2、3-2-2)
- 8対8(2-4-2、3-3-2)
- 9対9(3-3-3、3-4-2)
- 10対10(3-4-3、4-4-3)