ドイツではブンデスリーガから子供まで、クリスマス前から1ヶ月半前後のリーグ戦中断期間に入ります。降雪量の関係もあり、この中断期間に室内でHallenfußball(ハーレンフースバル)と呼ばれる競技の大会が各地で行われ、冬の間のトレーニングやエンターテイメントとして定着しています。ハーレンフースバルを直訳すると室内サッカーです(Halle=体育館、Fußball=サッカー)。
ハーレンフースバルはフットサルコートほどのフィールドで5人制で行われますが、フィールドの周りをアイスホッケーのように1mくらいの壁で囲まれていて、壁を越えない限りプレーが続行されます(壁パスあり)。プレーが途切れる機会が少ないので、展開の早い攻防が見られ、状況把握や攻守の切り替え、1対1、プレッシャー下での正確なプレーが求められます。
国際大会でのチームコメント
U-17大会参加の目的の一つは賞金です。カールスルーエは他のプロクラブに比べて育成部門にお金がありません。この大会で結果を残すことは大事なことです。
また、5対5の小さなフィールドの中で、選手たちの能力をよく観察することができます。テクニックやフィジカル、戦術以外にも戦う気持ちやメンタル面をよく見ることができます。 カールスルーエSC U-17監督
デンマークサッカーの基本フォーメーションは4-3-3で、ボールポゼッションをとても大事にしてるよ。だから、テクニック、アイデア、創造性、試合の状況を読み取る能力はとても大切だよ。デンマークではフットサルや室内サッカーはあまり流行っていないけど、この大会ではそういったことをトレーニングすることができるね。
あとは1対1。攻守においてとても大事だね。5対5の試合では1対1のシチュエーションがたくさんできるし、狭いフィールド中で選手はすぐにプレッシャーにさらされる。そういった中で落ち着きや自信を持ってプレーできるかどうかを見ることができるね。
ブレンビー・コペンハーゲン(デンマーク)監督
重点
ゲームインテリジェンス、1対1、オフ・ザ・ボールの動き、身体の向き、テクニック、攻守の切り替え、フィジカル
主なルール
大会や会場によってルールは若干異なりますが、以下が主なルールです。
- フィールドの大きさはフットサルコートほどで、キーパーを含めた5対5。
※ 室内フロアーや人工芝など会場によって異なる。 - ゴールは大人でも子供でも少年用ゴールを使用。ボールは通常のサッカーボール。
- オフサイドルール無し。
- アイスホッケーのようにフィールドが1mくらいの壁に囲まれている。
・ 壁を超えない限りプレーは続行
・ ボールがタッチラインの壁を越えた場合、壁付近からロールイン(手で転がす)
・ ゴールラインの壁を越えた場合は、ゴールキックかコーナーキック
・ ゴールキックは足、もしくはキーパーの手から始めてもよい
※ 会場によってはタッチラインの片側だけが壁であったり、ゴールラインに壁が設置されていなかったりする場合もある。 - キーパーが手でボールを処理(キャッチ、はじく)したあとペナルティエリア内から手もしくは足でパスを出す場合(ゴールキックを含む)、自陣にいる味方もしくは相手選手がボールに触らなければならない。誰もボールに触れずにセンターラインを越えた場合は、センターライン上から相手チームのフリーキック。
- PK以外、フリーキックはすべて間接。PKは9m。
- フリーキック時、相手選手はボールから3m以上離れる。
- ゴールは相手陣地からのシュートのみ認められる。自陣からのシュートが直接ゴールに入った場合、相手チームのゴールキックからリスタート。
- 交代は出入り自由。
コーチングポイント
- ゴールキーパーを使って数的優位を作り攻撃を試みる。
- できる限りの深さと必要なだけの幅を確保する。
- 予備動作とともにタイミングよくマークを外す。
- パスにメッセージを込める(パススピード、味方のどちらの足に出すか)。
- 状況を把握するために身体の向きとファーストタッチを調整する。
- 攻撃のテンポを調整する(速い攻撃、ボールポゼッション)。
- 素早い攻守の切り替え。
- 攻守における1対1。
バリエーション
- フィールドの大きさや年齢に応じて人数を変更する。
例:小学生は6人制など - 壁の代わりにゴール脇やタッチライン上にフリーマンを置く。