大会レポート

2019 Kunshan Cup International Youth U-12 in China【昆山杯】

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飛行機の乗り換え以外では初めての中国。中国の昆山(こんざん)で開かれたU-12の国際大会Kunshan Cupに参加してきました。今回が第2回大会となったKunshan Cupには地元の昆山FCや他の中国チームをはじめ、昆山FCと提携しているドイツのシャルケ04、シャルケと提携しているオーストラリアのシドニー・オリンピックFCなどが参加しました。

ちなみに2018年に行われた第1回大会はシャルケ04対フォルトゥナ・デュッセルドルフのドイツ勢同士の決勝となり、シャルケが優勝しました。

昆山 Kunshan

成田空港から約3時間かけて上海の浦東空港に到着し、空港から昆山市内のホテルまでは途中事故渋滞が2回ありましたがバスで2時間弱で到着しました。

昆山市(アルファベット表記 Kunshan)は中国東部の江蘇州蘇州市にあり、多くの外国企業も進出している経済的に発展を遂げた都市です。スポーツ都市としての一面も持ち、年間600以上のスポーツイベントが開催されています。Wikipediaによると人口は164,7万人です(2010年)。

高層ビルやマンションがたくさん建っていて、交通量も多くクラクションがそこらじゅうで鳴り響いています。特に電動スクーターが専用レーンにたくさん走っていて、交差点ではいろいろな方向から音もなく近づいてくるので轢かれないように注意が必要です。横断歩道を歩いていれば一応止まってくれましたが、あちらこちらであわよくば突破を狙っている感がしました。

ホテルは19階建てのKunshan New Port Hotelに宿泊しましたが、部屋も広くとてもきれいでした。スマートフォンやパソコンなどは日本で使っているプラグをそのまま差し込んで使うことができました。ポケットWifiを日本からレンタルで持っていきましたが、各部屋専用のWifiも用意されていました。朝昼晩ともすべてホテルで食事でしたが、中華、洋風、BBQ、ラーメン、デザートなどなんでもあるビュッフェ形式でした。食べ過ぎたのでグランドとホテルのジムで少し運動しました。

ホテル周辺には徒歩5分の場所に大きなショッピングモールがありましたが、日本にもあるような若者向けショップばかりでお土産屋のようなものはほとんど見つかりませんでした。飲み物などの物価は日本の3分の1くらいに感じましたが、結局、昆山ではほとんどお金を使う時間と場所がありませんでした。時間があれば上海の街や空港でお土産を探したほうがいろいろあると思います。

Kunshan Sports Center Stadium

ホテルからバスで15分ほどの場所にKunshan Sports Center(昆山体育中心)があり、敷地内のスタジアムは中国3部リーグに所属する昆山FCがホームスタジアムとして使用しています。収容人数は2万人以上ですが、シャルケのコーチが試合を見に行った時は観客は500人ほどだったそうです。スタジアムに隣接するスポーツホテルの部屋からはピッチを見下ろすことができ、所属する選手たちが宿泊しています。

天然芝ピッチをハーフラインで区切り、少年用コート2面が作られていました。前日練習と大会中のすべての試合がこのスタジアムで行われました。

2019年大会レギュレーション

  1. 登録選手は14名、スタッフは3名まで。
  2. 2007年1月から2008年12月生まれの選手対象。
  3. 4チームずつ2グループに分け、それぞれのグループで総当たり。
  4. 上位2チームは準決勝(金杯)進出、下位2チームは順位決定戦(銀杯)。
  5. 1試合60分(30分ハーフ、ハーフタイム10分)。
  6. 1試合の選手交代は5名まで。再入場不可。
  7. ノックアウトラウンドで同点の場合、PK戦あり。

大会中は各選手やスタッフにIDが配布されましたが、試合前のレフリーによる用具チェック時や選手交代時にも毎回ID提示を求められました。

また日本で使用が認められているスポーツ眼鏡を中国では使用が認められませんでした。

組み合わせ抽選会・グループ分け

大会前日の夕方にスタジアム内の一室でグループ分けの抽選会が行われました。昆山の政府関係者や協会関係者の手短な挨拶からすぐに本題の抽選に入り、抽選もじらすことなくあっという間に終わりました。その後のグループリーグでのユニフォームの色決めですごく時間がかかりました。

グループA

  1. 昆山FC(中国)
  2. 修徳FC(日本)
  3. Haimen City Codion United FC(中国)
  4. 南通支云 Nantong Zhi Yun(中国)

グループB

  1. 上海上港 SIPG Football Club(中国)
  2. Sydney Olympic FC(オーストラリア)
  3. Schalke 04(ドイツ)
  4. Zhang Jiagang Beibei(中国)

結果

グループA 昆山 修徳 Haimen 南通 順位
昆山FC ☆☆ 〇4-1 〇2-1 〇17-0 1位
修徳FC X1-4 ☆☆ 〇3-0 〇13-0 2位
Haimen City X1-2 X0-3 ☆☆ 〇27-0 3位
南通支云 X0-17 X0-13 X0-27 ☆☆ 4位
グループB 上海上港 シドニー シャルケ Beibei 順位
上海上港 ☆☆ 〇4-1 X1-3 〇4-1 2位
シドニー X1-4 ☆☆ X1-3 X1-2 4位
シャルケ 〇3-1 〇3-1 ☆☆ 〇2-1 1位
Beibei X1-4 〇2-1 X1-2 ☆☆ 3位

準決勝

  1. 昆山FC 3-3(1PK3)上海上港
  2. シャルケ 1-1(1PK3)修徳FC

3位決定戦: 昆山FC 2-3 修徳FC

決勝戦: 上海上港 0-1 シャルケ

まとめ

U-12の大会でしたが出場資格的に日本の小学5年から中学1年に当たる選手が出場していたので、対戦カードによっては明らかな対格差が見られました。1チームを除き30分ハーフの試合でそこまで大差がつくようなことはなかったので大きな力の差はなかったと思います。その中でも準決勝に進んだ4チームはグループステージで体格的に勝るチームに戦術的・技術的な良さを出して勝利を収めてきました。

中国勢の多くはゲームの組み立てはなくロングボール主体のサッカーでしたが、シャルケと提携関係にある昆山FCはロングボールだけでなくビルドアップやコンビネーションなどで相手の状況を見て判断しながら効果的にプレーしていると思いました。現地の人たちも言っていましたが、中国の育成は現場の指導レベルだけでなく定期的に試合経験を積めるリーグ戦の環境などまだまだ発展途上にあるようです。

僕が中国語を話せず通訳の人もサッカー用語がまったくわからないので、当初はレフリーや対戦チームのスタッフの多くとコミュニケーションを図ることができませんでした。大会前は少し警戒されているか距離を取られているような感じもしましたが、大会が進むにつれて笑顔で接してくれるようになり、レフリーもイエローカードの判定が誤審だったらごめんなさいと試合後にベンチまで来て話をしてくれました。判定に関してはとてもフェアーだったと思います。地元昆山FCの保護者や応援団も試合中は昆山FCを熱く応援していましたが、負けた試合の後もシャルケや日本チームを拍手で称えてくれました。次回はもっと中国語を話せるように準備していきたいです。謝謝。

番外編

昆山では大会の中日に庭園や建築物、展望エリアがある亭林園(Tinglin Park)という大きな公園に行きました。入場料がかかり大人は600円くらい、子どもは300円くらいだったと思います。夜はライトアップされています。

ホテルからバス停5つくらいの区間(51番線の同心村から西山風景区)だったので公共のバスで1元(15円くらい)で行けました。バス停にある路線図の各バス停名の下に「1」とか「2」とか行先までの料金が書かれています。バスに乗るときに運転手の横にあるレジのようなところにお金を投入します。

帰国日は上海の街に少し寄ってから空港に向かいました。上海タワーの対岸のパーキングで降ろしてもらい、徒歩10分くらいでお店がたくさん並ぶエリアに到着しました。昆山ではあまりパンダ物を見かけませんでしたが、上海の街や空港にはパンダグッズがたくさんありました。きれい目なお店から路地裏の屋台風のお土産屋までいろいろありましたが、同じものでも店によって値段がだいぶ変わるので事前に見比べるかお店の人と交渉しましょう。

中国国内では通常LINEやFacebook、Twitter、Instagram、Youtubeなどを使用することができません。Wifi使用時にスマートフォンなどの「設定」で「VPN」の機能をオンにする必要があります。空港などでVPN機能のついた中国用のWifiをレンタルすることができます。