サッカー選手(スポーツ選手)にとっての食事や栄養の重要性について、SSS(Sport Surport Specialist)の清水さんとのコラボ企画です。食事を通して伸びる選手、伸び悩んでしまう選手の傾向などについて語っています(前編)。

【清水 敬太】
幼少期から野球をプレーし、アメリカのIMGアカデミーに留学。アメリカのHERKIMER COUNTY COLLEGEを卒業後、独立リーグで野球をプレー。引退後はオリンピック選手や各競技のアスリート・チームを栄養指導などでサポートしている。

 

サッカー選手にとって食事の重要性は?

Q:サッカー選手にとって食事はどれくらい重要だと考えていますか?

土屋:まず、サッカー選手じゃなくても健康に生きていくうえで食事はとても重要なことです。そのうえでサッカー選手はアスリートとしての体作りが重要だと思います。

Q:選手時代と比べて、より食の重要性が増している感覚はありますか?

土屋:食の重要性に関しては、僕の選手時代からもずっと言われていることだと思いますが、昔よりも情報がアップデートされていて、YouTubeやインターネットで情報を気軽に取り入れやすい状況だと思います。なので、僕も選手時代より情報量が増えて、良いものを食生活に取り入れています。今回はスペシャリストの清水さんにいろいろとお話を聞きたいと思います。

良い選手は食への意識も高い?

Q:プロや世代別代表になったような選手や高い競技レベルでサッカーを続けている選手と関わって、そういった選手たちは食への意識は高いと感じますか?

土屋:日常の弁当の量や合宿での食事の様子を見ると、いい意味でも悪い意味でもなるほどなと感じることはあります。
体重が圧倒的に足りない選手の弁当や食事の量を見ると、すごく少ない傾向にあります。そういった選手たちは、負荷の高い試合後にどこか痛みが出たり体調を崩して離脱したりすることが比較的多いと感じています。

逆にアスリートとして体がしっかりできている選手は、普段の弁当や食事だけじゃなくて遠征先でも何でも食べられますし、コンディションを落とすことなく高いパフォーマンスを継続できる傾向にあります。ケガや病気で離脱する率も少ないと感じています。

Q:いろいろなチームや選手をサポートしている清水さんから見ても食への意識は競技力に影響すると感じますか?

清水:はい、かなり影響すると思います。いろいろなチームに携わっていて、レベルの高いチームほど食事への意識が高いと感じています。練習以外の時間も競技のために使っているという意識があるので比較的伸びやすいですし、ケガとかの予防にもつながっていると思います。

公式LINEの質問でも聞かれますが、食事に興味のある選手ほど、試合後にどうすればよいとか具体的な質問が多いので、そういった積み重ねをしていくことですごく成長していくと感じています。

伸びる選手の共通点は?

Q:伸びる選手には食事面でどんな共通点がありますか?

清水:育成年代どの競技にも言えることですが、食べる量、カロリーが圧倒的に足りている選手と足りていない選手ですごく差があると感じています。

伸びる選手は食に対して貪欲、その競技に対して貪欲なところがあります。お腹が減ったというシグナルに対してすぐに食べるという行動ができる傾向にあります。

Q:指導者や親に食べろと言われて無理やり食べている選手と、自分から意欲的に食べている選手では差が出てきますか?

清水:差は出てきますね。今回のワールドカップで日本代表に選ばれた選手を高校時代に栄養指導していましたが、その選手はもともと体が大きくて、自分や栄養士が説明しに行ってもすでに必要な量を食べている状況でした。

食べている選手は人に言われてどうこうではなくて、お腹が減ったら勝手に食べている。その習慣はすごく大事かなと思います。

食事の習慣はいつから身につける?

土屋:食事の習慣はいつからやっておいた方がいいですか?高校生からでは遅いですよね?

清水:そうですね。高校生からだとちょっと遅いかなと思います。できれば小学生の低学年くらいから食べることに興味を持っていくというのがベストだと思います。ただ自分たちが関わっている小学生でもいきなりすべては難しいので、中学生くらいから食事量などで基準を設けていくことが大事だと思います。

栄養面からみて強いチームの特徴は?

Q:栄養面からみて強いチームにはどんな特徴がありますか?

清水:はっきり言うと、強いチームは「食事が大事」というところが選手・保護者・指導者の全てに共通認識となっている点です。

特に強いチームほど練習や試合終わりの補食を全員が摂るので、やらないとおかしいよねという流れになります。保護者もそれに対して理解できているチームは、選手の体が大きかったりケガが減ったりする傾向にあると感じています。

もったいないと感じる選手は?

Q:指導している中でもったいないなと感じる選手はいますか?

清水:サッカー選手であれば、技術はあるのに体が細かったり、体作りに取り組めていなかったりする選手が非常に多いと感じます。そういった選手ほど食べれば競技力も伸びていくし、食べていないからパフォーマンスを出せなかったりケガが増えたりしてしまうケースもあると思います。そういった選手を見ると食べる量を意識してほしいと感じています。

食事が原因で伸び悩む・伸びる選手は?

Q:これまで指導してきたチームで、食事が原因で選手が伸び悩むケースや逆に食事を改善して選手が成長したケースはありますか?

土屋:食事以外にも原因はあると思いますが、小学生や中学生時代にトレセンに選ばれていた選手が高校2年生くらいで伸び悩んでしまうケースは時々あります

小中学生の時にトレセンに選ばれる選手は4月や5月生まれが多い傾向にあるようで、同じ学年の中でもナチュラルに他の選手よりも体の成長が早いのでそのアドバンテージで速いとか強いというフィジカル優位な状態を勝手に手に入れられることがあります。それが高校2年くらいになると他の選手も体の成長が追いついてくるので、場合によっては食事面とかトレーニングで積み重ねてきた選手がこれまでの序列を逆転するケースもあると思います。

清水:実際に自分が指導しているチームでも昔から体が大きかった選手が追いつかれてしまうということはよく聞いています。その際に体が昔から大きかった選手は、食事に関してどうしたらよいか取り組み方がわからないということがあるので、セミナーなどでどうやって体作りをしていくのかを伝えていきます。身長の伸びは止まってくるので、筋肉量を増やしたり違った部分でどうやっていくかを指導することで、どのような努力をすればよいか知ることができます。

土屋:早熟な選手は自然と周りよりも大きいとか速いフィジカル優位な状態ですが、逆に成長が遅くてフィジカル面で悩んできた選手はトレセンに選ばれたりする選手を目標にしてもっと強くなりたいとか速くなりたいという思いで、食事やトレーニングに興味を持ったり工夫したりする機会が増えるかもしれません。

早熟な子が食事やトレーニングの重要性に気づけばそのまま行ける場合もありますが、そこに気がつかずに行ってしまうと高校2年くらいでフィジカル面で周りに追いつかれて思い通りに行かないことが増えてしまうかもしれません。

清水:強いチームほどそれは多いかもしれません。昔はできていたのに、なかなかできなくなってきてどうすればいいんだろうって悩む選手は多いですね。自分たちはやり方を指導しますが、自分が選手の時もやり方を知らなかったりカロリーをどれくらい摂ればいいのかわかりませんでした。最終的にがんばるかがんばらないかは選手次第になりますけど、何をするかを知るということはすごく大事だと思います。

伸びる選手はグランド以外でも意識が高い?

Q:伸びる選手ほどサッカー以外の部分でも向き合えていますか?

清水:サッカーに限らずスポーツ選手で伸びていく選手は、食事だとか睡眠だとか日常生活を重要にしていると思います。サッカーの練習は基本的に1日1回ですけど、食事に関しては1日に朝昼晩で3食、そこに補食も含めれば5回になるので、それを年間通すと1000回になります。1000回ほど成長のチャンスがある中でどれだけ意識して取り組んでいるか取り組んでいないかで相当の差が出てしまうと思います。

土屋:1回の練習が1時間半や2時間しかない中で、残りの22時間をどうやって使うかがすごく大事ですが、選手の視点からするとどうしてもグランドでの1時間半や2時間だけが頑張りどころ、アピールどころとなってしまうことがあります。食事や睡眠、メンタルのことも大事だと気づけなかったりおろそかになってしまったりすることがあるので、そこをミーティングや清水さんのようなスペシャリストのお話で何で大事なのかを気づかせてあげると少しずつ取り組みが変わっていきます。逆にグランドでいくらがんばってもトレーニング後の食事や回復がしっかりできていない選手はケガが増えてしまったり、努力が無駄になってしまうケースもあると思います。選手たちはそれぞれ成長したいと思っていますが、実は一番の伸びしろがテクニックだとかグランドの事ではなくて、食事だとか睡眠だとか生活習慣の方かもしれないとたまに感じます

後編に続く・・・

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