サイトアイコン ドイツ式サッカー指導者養成・選手育成【フースバルトレーニングアカデミー】

Tr54) ハーレンフースバル【ドイツ式壁あり室内サッカー】

ドイツではブンデスリーガから子供まで、クリスマス前から1ヶ月半前後のリーグ戦中断期間に入ります。降雪量の関係もあり、この中断期間に室内でHallenfußball(ハーレンフースバル)と呼ばれる競技の大会が各地で行われ、冬の間のトレーニングやエンターテイメントとして定着しています。ハーレンフースバルを直訳すると室内サッカーです(Halle=体育館、Fußball=サッカー)。

ハーレンフースバルはフットサルコートほどのフィールドで5人制で行われますが、フィールドの周りをアイスホッケーのように1mくらいの壁で囲まれていて、壁を越えない限りプレーが続行されます(壁パスあり)。プレーが途切れる機会が少ないので、展開の早い攻防が見られ、状況把握や攻守の切り替え、1対1、プレッシャー下での正確なプレーが求められます

国際大会でのチームコメント

ハーレンフースバルのU-17国際大会 Keramik-Cup

U-17大会参加の目的の一つは賞金です。カールスルーエは他のプロクラブに比べて育成部門にお金がありません。この大会で結果を残すことは大事なことです。
また、5対5の小さなフィールドの中で、選手たちの能力をよく観察することができます。テクニックやフィジカル、戦術以外にも戦う気持ちやメンタル面をよく見ることができます。                         カールスルーエSC U-17監督

デンマークサッカーの基本フォーメーションは4-3-3で、ボールポゼッションをとても大事にしてるよ。だから、テクニック、アイデア、創造性、試合の状況を読み取る能力はとても大切だよ。デンマークではフットサルや室内サッカーはあまり流行っていないけど、この大会ではそういったことをトレーニングすることができるね。
あとは1対1。攻守においてとても大事だね。5対5の試合では1対1のシチュエーションがたくさんできるし、狭いフィールド中で選手はすぐにプレッシャーにさらされる。そういった中で落ち着きや自信を持ってプレーできるかどうかを見ることができるね。
                   ブレンビー・コペンハーゲン(デンマーク)監督

U-17国際大会 ケラミックカップ記録【壁あり室内サッカー・ハーレンフースバル】 テア・シュテーゲン、ノイアー、キミッヒ、ザネ、ドラクスラー、イブラヒモビッチなども出場経験のあるU-17 Keramik-Cup...

重点

ゲームインテリジェンス、1対1、オフ・ザ・ボールの動き、身体の向き、テクニック、攻守の切り替え、フィジカル

主なルール

大会や会場によってルールは若干異なりますが、以下が主なルールです。

  1. フィールドの大きさはフットサルコートほどで、キーパーを含めた5対5。
    ※ 室内フロアーや人工芝など会場によって異なる。
  2. ゴールは大人でも子供でも少年用ゴールを使用。ボールは通常のサッカーボール。
  3. オフサイドルール無し。
  4. アイスホッケーのようにフィールドが1mくらいの壁に囲まれている。
    ・ 壁を超えない限りプレーは続行
    ・ ボールがタッチラインの壁を越えた場合、壁付近からロールイン(手で転がす)
    ・ ゴールラインの壁を越えた場合は、ゴールキックかコーナーキック
    ・ ゴールキックは足、もしくはキーパーの手から始めてもよい
    ※ 会場によってはタッチラインの片側だけが壁であったり、ゴールラインに壁が設置されていなかったりする場合もある。
  5. キーパーが手でボールを処理(キャッチ、はじく)したあとペナルティエリア内から手もしくは足でパスを出す場合(ゴールキックを含む)、自陣にいる味方もしくは相手選手がボールに触らなければならない。誰もボールに触れずにセンターラインを越えた場合は、センターライン上から相手チームのフリーキック。
  6. PK以外、フリーキックはすべて間接。PKは9m。
  7. フリーキック時、相手選手はボールから3m以上離れる。
  8. ゴールは相手陣地からのシュートのみ認められる。自陣からのシュートが直接ゴールに入った場合、相手チームのゴールキックからリスタート。
  9. 交代は出入り自由。

コーチングポイント

  1. ゴールキーパーを使って数的優位を作り攻撃を試みる。
  2. できる限りの深さ必要なだけの幅を確保する。
  3. 予備動作とともにタイミングよくマークを外す
  4. パスにメッセージを込める(パススピード、味方のどちらの足に出すか)。
  5. 状況を把握するために身体の向きファーストタッチを調整する。
  6. 攻撃のテンポを調整する(速い攻撃、ボールポゼッション)。
  7. 素早い攻守の切り替え
  8. 攻守における1対1

バリエーション

  1. フィールドの大きさや年齢に応じて人数を変更する。
    例:小学生は6人制など
  2. 壁の代わりにゴール脇やタッチライン上にフリーマンを置く。
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