フィールド中央よりもサイドでは比較的前を向いてボールを受けるスペースが存在しますが、相手ゴール前ではほとんどの場合ディフェンダーを背負った状況でボールを受けることになります。ボールを受ける選手はディフェンダーの動きや進行方向の状況が把握しづらいため、無理に突破を試みるよりもディフェンダーを中央で引き付ける役になり、受けたボールを直接、もしくはバックパスを受けた味方がサイドに展開する選択肢が考えられるでしょう。しかし、バックパスばかりでは相手にとって怖い存在ではなくなり相手を引き付ける力も弱まってしまいます。逆に純粋な突破力があれば相手の警戒は強まりより多くの相手選手を引き付けることができるでしょう。さらに相手がバックパスやサイドへの展開を先読みした場合には自ら突破する可能性も高まります。
ディフェンダーのいない状況(Tr135やTr136)や基本的なメニュー(Tr137)で学んだスキルをゴール前の1対1に活かし、2対2など人数を増やたバリエーションにも発展してみてください。ほぼ同じオーガナイズでTr154) ゴール前の1対1【中央でディフェンダーと対面】も行うことができます。Viel Spaß!
Tr154) ゴール前の1対1【中央でディフェンダーと対面】相手ゴール前では守りを固められている中央よりもサイドにより多くのスペースが存在し、サイドの選手は自然と攻撃方向を向いてボールを受けられる...
重点
- 攻撃:オフ・ザ・ボールの動き、ファーストタッチ、フェイント、ドリブル、パス、シュート、守備への切り替え
- 守備:インターセプト、1対1、攻撃への切り替え
準備
- ペナルティエリア上に2mの間を空けて4m幅の突破ラインを設ける。突破ラインを底辺に高さ約10mの台形のようなエリアを設ける。
- 台形エリア周辺にディフェンダー用のカウンターゴール(コーン、マーカー、ミニゴール)を設置する。
- 台形エリアに攻撃(青)と守備(赤)の選手、ゴール前にゴールキーパーが入る。カウンターゴール前にパサーがボールを持って用意する。
進め方
- 攻撃の選手は台形エリア内でパサーからボールを受けたあと、いずれかの突破ラインを通過してからゴールを目指す。
- ディフェンダーがボールを奪ったらカウンターゴールを目指す。
コーチングポイント
- オフ・ザ・ボールの動き:方向やタイミングを変えてディフェンダーのマークを外す。ずるずるボールに寄ってスペースを失わない。
・ 足元で受ける。
・ ディフェンダーの背後で受ける。 - マークの外れている瞬間にボールを受けられるように出し手と受け手がタイミングを合わせる。もしくはディフェンダーに体を預けてディフェンダーから遠い方の足でボールを受ける。
- ディフェンダーの状況に合わせてファーストタッチを調整する。
・ 距離が空いていれば前を向く。
・ 距離が近ければファーストタッチでかわす、ディフェンダーから離れる。 - ディフェンダーを背負った状態でボールをコントロールした場合、フェイントを用いてディフェンダーを動かし前を向く(突破する)機会を伺う。
- 勇気を持ってゴールを目指す。隙があれば突破する前にシュートを狙う。
- 攻守の切り替えを素早く行う。
- ディフェンダーはできる限り距離を詰めインターセプトを狙う。しかし、狙いすぎて背後を取られないようにする。
- 前を向かれた場合はできる限り外側に追い込みゴールから遠ざける。
- ゴールキーパーとコミュニケーションを図る。
バリエーション
- 幅を変えて難易度を調整する。狭ければ難易度は上がり、広ければ難易度は下がる。
- 台形エリア無しで行う(下図)。その場合、ペナルティエリア内はオフサイドあり。
- パサーをミニゴールの外側に配置し、パスの角度を変えて行う(下図a)。
- パサーへのバックパスを許可する。パサーにタッチ制限を加える(1タッチのみ)。
- パサーのパス後、2人目のディフェンダーを投入する(下図b)
- ゴール前を2対2で行う。
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