縦パスを入れることができない、なかなか前進することができない、そういった状況を改善するための実戦的なパス&ボールコントロールのメニューです。
スタートポジションはセンターバックなどのディフェンダー、中央はボランチなどの中盤、奥の選手はフォワード、サイドはサイドバックや前線の選手など、試合中のさまざまな局面に応用することができます。
どのポジションにも言えることは、パスにメッセージを込めるということです。パススピードや味方のどちらの足に出すのかといったことを意図的に行うことにより、味方とアイデアを共有し連携を深めていくことができます。グラウンダーの縦パス、3人目を絡めた縦パス、ワンツー、スルーパスなどさまざまなコンビネーションを試してみてください。
Viel Spaß!
重点
縦パス、ファーストタッチ、身体の向き、ワンツー(パス&ゴー)、3人目の動き、予備動作、ドリブル
準備
- 下図のようにコーン(マーカーでも可)を置く。スタート地点から中央までは約10m、中央から奥までは約12m、中央からサイドまでは約8m。
- 中央と奥のコーン、どちらかのサイドに選手が1人ずつ入り、それ以外はボールを持ってスタート地点に並ぶ。5~7人で1組。
進め方
パターンA: スルーパス
- スタート地点の選手がボールを少し運ぶ。
- 中央の選手がバックステップで斜め前にポジションを取り、鋭い縦パスを受ける。
- ファーストタッチで前を向いて奥にいる選手のコーンから遠い足にパスを出す。
- 奥の選手はファーストタッチで味方がいるほうにコントロールする。
- サイドの選手はタイミングよく予備動作を入れてスルーパスを受ける。
- サイドの選手はドリブルでスタート地点に戻る。
パターンB: ワンツー
- 奥の選手まではパターンAと同じ。
- サイドの選手は予備動作を入れて足下で受ける。
- サイドの選手と奥の選手でワンツーを行う。
パターンC: 3人目の動き
- スタート地点の選手がボールを少し運ぶ。
- 中央の選手は斜めにボールに近寄り、コーンから遠い足でパスを受ける。
- 1タッチでリターンし、スタート地点の選手は奥の選手に鋭いパスを出す。
- 中央の選手が3人目として落としのパスを受けリターンする。
- 奥の選手はサイドの選手にパスを出す(パターンAかB)。
コーチングポイント
- パスにメッセージを込める。
・ 中央の選手がコーンよりも深い → 自分から遠い足に鋭いパス → ターン
・ コーンよりも低い位置 → コーンから遠い足に優しいパス → リターン - 中央の選手は斜めに動く。
・ 斜め前に動いてディフェンダーの背後で受ける(図A・B)。
・ 斜めに下がりディフェンダーをひきつける。パスコースを作る(図C)。 - 中央の選手はディフェンダーが来ているかいないかを確認できるように身体の向きを調整する。来ていればリターン、来ていなければターンの判断をする。
- 進行方向に意図的なファーストタッチをする。
- サイドの選手はタイミングよく予備動作を入れてディフェンダーと距離を取る。
早く飛び出しすぎてボールが背後から来ないようにする(オフサイド)。 - スルーパスの強さを調節して味方の少し前のスペースに出す。
- サイドの選手はファーストタッチから仕掛ける。
バリエーション
- 慣れてきたらAからCを自由に組み合わせて行う。
- コーチがディフェンダー役として入り、選手はコーチの動きによって判断を変える。
・ 中央の選手に対して(ターンかリターン)
・ サイドの選手に対して(スルーパスかワンツー) - コーンの距離を変える。奥のコーンを離して浮き球を出す。