東京オリンピックのドイツ代表が大会前キャンプ1日目にウォーミングアップで行ったメニューです。
パス、ボールコントロール、ドリブルなどのテクニック要素とともに、ポジショニングや身体の向き、3人目の動きなどビルドアップやチャンスメイクでも使われる戦術的な要素も含めたメニューです。いくつかのバリエーションがありますが、慣れないうちは1回で2バリエーションを目安に理解を深めながら行い、別日に新たなバリエーションに取り組んでみましょう。Viel Spaß!
※下の動画はキャンプのハイライトですが、このトレーニングメニューは含まれていません。
重点
パス、ボールコントロール、ドリブル、サポート(ポジショニング)、身体の向き、さまざまなコンビネーション(ワンツー、3人目の動き、サイドチェンジ、ポジションチェンジ)、コミュニケーション
準備
- V字になるように10mずつ離してコーンを置く。
- V字の両サイドにマーカーやコーンでドリブルコースを作る。
- スタート地点にボールを持って選手が入り、残りのコーンにも選手が1人ずつ入る。
- 複数のグループで行う場合、下図のようにドリブルコースを共有する。
進め方(a)斜めに縦パス
- スタートの地点の選手が、コーンから外側に離れた中間の選手にパスを出す。
- ボールを受けた中間の選手は、コーンから内側に離れた奥の選手にパスを出す。
- 奥の選手は中間の選手とワンツーを行い、ボールとともにドリブルコースの方に進む。
- ドリブルコースを突破してスタート地点で待っている選手にパスを出す。
- 同じように逆側でも行う。
進め方(b)3人目の動き
- スタート地点の選手が、コーンから外側に離れた中間の選手とパス交換する。
- スタート地点の選手が奥の選手に縦パスを入れ、中間の選手が3人目としてサポートする。
- 奥の選手は中間の選手とワンツーを行い、ボールとともにドリブルコースの方に進む。
- ドリブルコースを突破してスタート地点で待っている選手にパスを出す。
- 同じように逆側でも行う。
進め方(c)サイドチェンジ
- スタート地点の選手が、コーンから外側に離れた中間の選手にパスを出す。
- ボールを受けた中間の選手は逆サイドの奥の選手にパスを出しサポートする。
- 奥の選手はサポートに来る中間の選手とワンツーを行い、ボールとともにドリブルコースの方に進む。
- ドリブルコースを突破してスタート地点で待っている選手にパスを出す。
- 同じように逆側でも行う。
進め方(d)偽のSB&サイドチェンジ
- スタート地点の選手が中間の選手とパス交換する。
- 中間の選手は内側にポジションを取り、同じタイミングで奥の選手が外側に下りてくる。
- スタート地点の選手がサイドの選手にパスを出す。
- ボールを受けたサイドの選手は逆サイドの奥の選手にパスを出す。
- ボールを受けた奥の選手はサポートに来る中間の選手とワンツーを行い、ボールとともにドリブルコースの方に進む。
- ドリブルコースを突破してスタート地点で待っている選手にパスを出す。
- 同じように逆側でも行う。
コーチングポイント
- ボールと進行方向の状況を把握できるように身体の向きやポジショニングを調整する。
- できる限り正確に(足元・スペース・味方のどちらの足)、距離や状況に応じて必要な強さでパスを出す。
- 次のアクションにつながる意図的なボールコントロールを行う。
- 次の展開を予測したポジション取りを行い、ボールの移動中にスムーズなサポートができるようにする。
- できる限り正確で素早いドリブルを行う。
- アドリブで行う場合、味方同士でコミュニケーションを図りスムーズなコンビネーションを行う。
バリエーション
- 課題を変えてドリブルを行う(アウトサイドだけ、左足だけなど)。
- 進め方a)とb)を組み合わせてアドリブで行う。
- 進め方c)とd)を組み合わせてアドリブで行う。
- 全てアドリブで行う。