小学生からプロまでできる定番メニューの一つだと思いますが、シンプルゆえにディフェンダーのアクションや重心を観る(認知)、状況に応じてドリブル、パス、シュートを使い分ける(判断)、時間のロスを生み出さない素早く正確なアクション(実行)をとことん突き詰められるメニューとも言えます。
「7秒以内にフィニッシュ」や「3人目のディフェンダーを追加」ルールで行うことで、時間的プレッシャー下で正確な認知・判断・実行を磨くことが可能です。
できる限り最短ルートでゴールに向かうことが求められるので横幅を特に区切る必要はありませんが、複数個所で行って隣のグループとぶつかる危険があるようであれば、横幅を区切って安全を確保しましょう。Viel Spaß!
重点
認知(ディフェンダーのアクション、重心)、判断(ドリブル・パス・シュートの使い分け)、実行(ドリブル、パス、ファーストタッチ、シュート)、攻守の切り替え
準備
- ゴールから25m離れた場所にミニゴール(コーンゴール)を2つ設置する。
- 必要に応じてマーカーを置いてゴールエリア幅で区切る。
- ゴール前にゴールキーパーが入る。
- ミニゴール前に攻撃の選手3人がボールとともに準備する。
- ミニゴールの10m前にディフェンダーが2人入る。
進め方
- 攻撃チームがディフェンダーとパス交換して開始し、ゴールを目指す。
- 守備チームは失点を防ぎつつ、ボールを奪ったらミニゴールを目指す。GKが直接ミニゴールを狙うことも可能。
- オフサイドルールありで行う。
- 慣れてきたら、「開始から7秒以内にフィニッシュ」など時間制限ルールを加えることで素早い攻撃を促す。
コーチングポイント
- 時間をかけずに最短距離でゴールに向かう。通常のゲーム中では他のディフェンダーが戻ってくるため、3対2(数的優位)の状況がわずかな時間しか続かないことを念頭に行う。
- ディフェンダーのアクションに応じてドリブル、パス、シュートを使い分けながらゴールに向かう。下記の例を参照。
- ディフェンダーがリターンパス後に突っ込んできたら(下図a)、一瞬できる2対1の状況を活かし、1タッチもしくは追い込まれる前にフリーの味方にボールを送ることでシュートチャンスを作る。
状況を把握せずにコントロールに時間をかけてしまうと、1対1や2対2の同数に追い込まれてしまう(下図b)。 - ディフェンダーが下がって攻撃を遅らせようとした場合(下図c)、ドリブルでどちらかのディフェンダーに仕掛けて引き付けた後に味方の前方のスペースにパスを出すことで、受け手がディフェンダーに追いつかれずにシュートまで行ける可能性が高まる。言い換えれば、パスを出すなら味方がシュートを打てるようなパスを出す。
ディフェンダーを十分に引き付けずにパスを出す、パスが味方の足元すぎる、受け手が必要以上に広がりすぎる、パスが緩すぎるなどの要因で時間のロスが生まれると、受け手がシュートを打つ前にディフェンダーに追いつかれてしまう(下図d)。 - ディフェンダーがペナルティエリア内まで下がり続けた場合(下図e)、シュートの選択肢も持つ。
- ディフェンダーにどちらかのサイドで2対2の同数に追い込まれそうな場合(下図f)、外の選手が下がりながらボールに寄ることで、ディフェンダー間を通して逆サイドのフリーな味方にパスを送ることが可能になる。もしくはサイドの1対1を攻略する。
- ディフェンダーはボール際で数的同数を作りゴールを守る。
・ペナルティエリアのラインあたりまで下がりなら攻撃側に不用意な横パスやパスミスを誘発させてサイドで同数に追い込む。
・ボールホルダーに仕掛けられた場合、ペナルティエリア前で止まり、外側へのパスに対してできる限り寄せてアタックする。可能な場合は、ゴールキーパーがボールにアタックする。 - 攻守の切り替えを素早く行う。
バリエーション
- ペナルティエリア外はオフサイドルール無しで行う(易しい)。
- 時間制限をつけて行う。例:7秒以内にフィニッシュ
- 3人目のディフェンダーをつけて行う。例:スタート後に両ミニゴールを触れてから3人目のディフェンダーが追いかけてくる