東京オリンピックのドイツ代表が大会前キャンプ2日目の締めに行ったコンビネーションからシュートの練習です。ペナルティエリア内に侵入するためのコンビネーションをいくつか確認していました。
最初はチームメイトと顔を合わせたばかりでコンビネーションがうまくいかなかったり、若手選手がオーバーエイジの選手に気を遣ったりするようなシーンもありましたが、元ドイツ代表のフォワードでもあったクンツ監督のコーチングにより流れや集中力も改善されていきました。若手フォワード選手のメリハリのないオフ・ザ・ボールの動きに対してかなり強く要求していたのが印象的でした。
下の動画の4:47あたりからこのトレーニングメニューの様子が含まれています。
重点
チャンスメイク(ドリブル、縦パス、スルーパス、1タッチパス、ペナルティエリア内での横パス)、オフ・ザ・ボールの動き(予備動作、ダイアゴナルラン、3人目の動き)、シュート
準備
- ゴールから約20mの位置に7mの間隔でコーンを並べる。
- コーン周辺と両サイドに選手が準備する。
- センターサークル付近にボールを集めて選手が準備する。
- ゴール脇にもボールを集めてコーチや選手が準備する。
- ゴール前にゴールキーパーが入る。
進め方 a
- センターサークル付近からドリブルで運び、前線から下りてくる選手に縦パスを入れる。
- 前線の選手が1タッチでボールを落とす。
- 浮き球で、サイドからペナルティエリア内に飛び出す選手にパスを出す。
- サイドの選手はペナルティエリア内でボールを受け、1タッチで中央に走り込んでくる味方に落とすか(下図a)、コントロールして自分でシュートを打つ。
- シュートを打たなかった選手(下図の場合はサイドの選手)がゴール脇からボールを受けシュートを打つ。
進め方 b
- サイドから中央に向かってドリブルで仕掛ける。
- 前線で2選手がマークを外すイメージでボールを受けに寄る。
- サイドの選手は遠い方の味方にパスを出す。
- 近い方の選手はオフサイドにならないタイミングでスルーパスを受けシュートを打つ。もしくは遠い方の選手にアシストする。
- シュートを打たなかった選手がゴール脇からパスを受けてシュートを打つ。
進め方 c
- サイドから中央に向かってドリブルで仕掛ける。
- 前線で2選手がマークを外すイメージでボールを受けに寄る。
- サイドの選手は遠い方の味方にパスを出す。
- 逆サイドの選手がオフサイドにならないタイミングでスルーパスを受けアシストする。もしくは自らシュートを打つ。
- シュートを打たなかった選手がゴール脇からパスを受けてシュートを打つ。
コーチングポイント
- 前線の選手は縦パスを受ける前に予備動作や動き出しのタイミングによりマークを外した状態でパスを受けるイメージを持つ。
- 縦パスを出す選手はドリブルしながら味方のディフェンダーから遠い方の足にグラウンダーで鋭いパスを出す。
- ペナルティエリア内に抜け出してパスを受ける選手はオフサイドにならないようにスピードを緩めたりディフェンスラインと平行に動いたりしてタイミングを調整する。
- ゴールキーパーの動きを観てシュートのタイミングやコースを使い分ける。角度が悪ければ味方へのパスも選択肢に持つ。
バリエーション
- 自チームのシステムによって選手の配置や人数を変更する。
- 対戦相手を想定してコーンの配置や数を変更する。
- いくつかのバリエーションを組み合わせてアドリブで行う。
- ゴール前にディフェンダーを1人入れて行う。